空飛ぶキツネ


「空飛ぶキツネ」
洒落たネーミングだと思いませんか?

真珠の耳飾りの少女」で有名なフェルメール
お父さんが経営していた居酒屋の名前です。

 

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フェルメール展が大阪市立美術館で開催されていますね。
連日、たくさんの人が訪れているという話を聞きます。

わたしは絵画の知識なんてほとんどないけれど、
「おはなし名画シリーズ フェルメールレンブラント」という
絵本(?)を読んで、感銘を受けました。

このシリーズには有名な画家たちの一生が書かれていて、
その中で「空飛ぶキツネ」のことを知りました。

よくある小学生向けの人物伝もいいけれど、
画家の大きな絵が載っていて、迫力があります。
細かいところまでよく見られる。

削ぎ落とせるところまで、削ぎ落とした文章もいい。
長い文を読まなくても、絵を見て、文章をみて、
その世界を存分に味わうことができた。

フェルメールの作品は
現在は36点しか残されていないそうです。

それは、お父さんから受け継いだ借金の返済に忙しく、
絵を描く時間がなかったことや

フェルメールが好んで使った青い色の絵の具が
金と同じくらいの価値で、
なかなか手に入らなかったことが理由だそう。

今なら、「絵の具代払うから、フェルメールさん、絵を描いて」
という人が、わんさか現れそうですが。

また、15人のこどもを授かりますが(なんて子だくさん!)
そのうち4人は幼くして亡くなります。

この時代、大人になる前に命を落とす子どもの多さに驚きます。
栄養状態、生活環境、そんなものが現代と比べると、
格段に良くないんですね。

フェルメール自身も43歳で亡くなります。
今のわたしと同じ年齢!!

そんなことを知ると、絵画展に行くときの気分も
変わってきそう。

日々、フェルメールが生きていくことに
追われていたことは間違いない。

そんな中でも、好きな絵を描き続けながら
懸命に一日一日を過ごしていたんだなと感じられて
なんだか励まされます。

この本を小学生の娘に見せましたが、
今のところ、それほど興味をそそられるものではなかったようです。

ちょうど本の中ほどのページに
有名な画家たちの年表が色分けして比較してあり、
「この人がいちばん長生きやな~」とか、

全体、サーっと目を通して
「この絵、きもちわるっ!」
(→これはレンブラント作 テュルプ博士の解剖学の講義。
  絞首刑にされた犯罪者が公開解剖される絵)
とか言ってました。

「きもちわるっ」も「長生きやな~」も、立派な感想。
大人とは、着目するところが違うけれど、
それでいいと思っています。

いろんな先入観がない間に、素敵なものと出会うっていうのは
とてもいいこと。
これからの人生を豊かにしてくれます。

 
やりたいことがあっても、時間、費用など制約があるけれど、
本とならいくらでも出会える。

だから、わたしもこどもたちも、
これからどんどん素敵な本に出会うだろう。

「おはなし名画シリーズ」は
フェルメールレンブラントの他にも
ピカソセザンヌマティスなども
取り上げられています。

本の裏表紙に「大人からこどもまで」と書かれていますが、
そのとおりでした!

こどもを膝に座らせて、
一緒にあれこれ感想を
いいながら眺めてください。

きっと、楽しい時間になりますよ。

 

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