【モチのはなし 其の壱】

毎年、12月30日に、方々から親戚が我が家に集まって
お餅つきをします。

この日空けといてな。とかの連絡は、一切しないんです。
11月頃になると、「今年はすんのか~、せんのか~」だけ、
親戚から問い合わせがあります。
そして、当日は自然にみんなが集まってきます。

来るのが当たり前になっているので、
欠席するのは、受験生くらいかな。
あ、でもオーロラ見に行くって休んだ人も過去にいたな。

ま、それはさておき、
餅屋でもないのに、「やっぱり餅は餅屋やな~」とか
「こんな(おいしい)お餅、もうどこにも売ってないで~」とか
言い合いながらする本格的もちつきです。

前日から水でふやかしておいたもち米をかまどで蒸し、
臼に移して杵でつく。

大阪なので、全て丸餅。
白・あんころもち・エビもち・『うる』のエビもちを作ります。

『うるもち』っていうのはもち米を蒸すときに
少量の白米(普段食べているお米)を
一緒に混ぜておいて、つく餅のことです。
食感がぽりぽりしてすごく美味しいんですよ。

うるもちは丸めたとき、全体が綺麗につるっとなりません。
つるっとしたとこ、ブツっとしたとこが混ざった絶妙な食感です。

ただ、加齢と共に普通の餅でいいわ~となります。
めっちゃ美味しいけど、歯と歯茎をめっちゃ酷使します。
そして、たまに詰めてる歯がとれます。

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餅をつくこと12回。もち米の量は、2斗2升です。
片付けが終わるころには外は真っ暗。
ほんで、めっちゃ寒いねん。
こうじゅうたん(お餅を並べる木箱。和菓子屋でお饅頭を並べたりしてるやつです)
を洗ったり、蒸籠や杵を洗うのが。

寒いのも、美味しいのも、餅つき過ぎて手が痛いのも、臼とりで腰痛いのも、
歯が取れるのも(これは、嫌やな・・・)
全てひっくるめて、楽しめてしまう。
それが、餅つきです。
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餅つきをしていると、自然と今年起こったニュースなんかが話題にでてきて、
盛り上がります。

昔々の餅つきもこんな感じだったのかなと思いを馳せます。

そんなみんなのうきうきしたお餅気分をよく表しているな~と思うのが、
『山のみんなのおもちつき』 脚本:廣越たかし 画:渡辺有一 です。

学校で子どもがしているお餅つきの楽しそうなのを動物たちが見て、
自分たちもやりたいなと、見よう見まねで、いろいろな方法を試します。

動物たちがお餅つきをうらやましがる様子が、まるで子どもたちが
言っているように思えて、かわいさ満開です。

セリフが紙芝居の形態にぴったりです。
3才〜小学校1年くらいまでの子に読むと、喜ぶんじゃないかな。

ただ、紙芝居は発行部数が少ないのか、本屋さんでは見つけられませんでした。
図書館なら置いていると思いますよ。


お餅のおはなしで、もうひとつおすすめなのが、『蛇含草』
これは、NHKで放送していた『えほん寄席』が単行本化された一冊。

現在、このシリーズは4冊出版されていて、
その中の『抱腹絶倒の巻』に収められています。

無類のもち好きの徳さんが主人公。
余った餅を全部食べられるかどうかの賭けをします。
残りの2つが食べられなかった徳さんがとった策は、果たして・・・?

上方落語なので、大阪弁のわたしにも読みやすく、

落語っぽい読み方をすると、娘は2人とも大ウケです。
落語家さんが噺ているCDも付録でついているので、そこも嬉しいですね。

餅のはなしですが、つきません。
其の二もお楽しみに。

 

 

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