ここちよいコトバ
あるビジネス書を読んでいたら、「時間のレイプ」という表現がありました。
著者は「電話」に対して、そう感じているということです。
「電話」は相手の時間を拘束する。
「電話」は本題に入る前に、「こんにちは」や「お世話になります」などと
言う必要がある。その時間がもったいない。
「電話」は急にかかってきて仕事のリズムを狂わせる。
だからLINEやメールを使えばいい、という内容でした。
確かに分刻み、秒刻みのスケジュールで動いている人も多くいる現代。
そういう、考え方があってもいいと思う。
だけど、「時間のレイプ」
その強すぎる表現に『ドキリ』とした。
説明したいことを強調するために、
わかりやすく伝えるために、
表現を工夫することは、大切だと思う。
中途半端な表現では真意は伝わらないかもしれない。
だけど、どぎつい言葉を使わなくても思いを伝える方法はあると思う。
もし、著者がこのブログを読めば、
電話の必要・不必要の話でなく、
表現云々の話になっているのを見て、
「そこ?」と感じるかもしれない。
このビジネス書自体は、刺激的でおもしろいものだった。
強い言葉は、こころに刺激を与える。
強すぎる言葉は、こころを痛めつける。
そこのところの「さじ加減」が難しいけれど、肝心かなめですね。
毎日、心地よいコトバ、耳ざわりのよいコトバに
囲まれている人は幸せなんじゃないかな~
などと、考えていると、思い浮かんだ本があります。
谷川俊太郎さんの『すき』という詩集です。
わたしは小説は読むんですけど、
『詩』って苦手なんです。
空想力が足りないせいかもしれない。
そんなわたしでも、いい意味で『ドキリ』とさせてくれたのが
この詩集です。
表題の『すき』っていう詩が中でも大好きです。
『すき』がいっぱい並んでいます。
まよってるありんこがすき
ひざこぞうすりむくのも いたいけどすき
不覚にも「たにかわワールド」に浸ってしまいました。
繰り返し読んでも、飽きない不思議。
表紙と挿絵を和田誠さんがされていまして、
これがまた、内容と良く合ってるんですよ。
ところで、和田誠さんって、どなたの旦那様かご存知ですか。
でもって、息子さんがどなたで、そのお嫁さんがどなたかも
ご存知ですか。
もし全部言えたら、あなたはかなりの芸能通!
すいません。話が逸れました。
谷川俊太郎さん。巨匠です。大家(おおやじゃないですよ)です。
そして、「たにがわ」じゃなくて、「たにかわ」です。
谷川さんについては、まだまだ語らなければならないことが
あるので、またの機会にしたいと思います。
『すき』 ぜひ読んでね。
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【モチのはなし 其の壱】
毎年、12月30日に、方々から親戚が我が家に集まって
お餅つきをします。
この日空けといてな。とかの連絡は、一切しないんです。
11月頃になると、「今年はすんのか~、せんのか~」だけ、
親戚から問い合わせがあります。
そして、当日は自然にみんなが集まってきます。
来るのが当たり前になっているので、
欠席するのは、受験生くらいかな。
あ、でもオーロラ見に行くって休んだ人も過去にいたな。
ま、それはさておき、
餅屋でもないのに、「やっぱり餅は餅屋やな~」とか
「こんな(おいしい)お餅、もうどこにも売ってないで~」とか
言い合いながらする本格的もちつきです。
前日から水でふやかしておいたもち米をかまどで蒸し、
臼に移して杵でつく。
大阪なので、全て丸餅。
白・あんころもち・エビもち・『うる』のエビもちを作ります。
『うるもち』っていうのはもち米を蒸すときに
少量の白米(普段食べているお米)を
一緒に混ぜておいて、つく餅のことです。
食感がぽりぽりしてすごく美味しいんですよ。
うるもちは丸めたとき、全体が綺麗につるっとなりません。
つるっとしたとこ、ブツっとしたとこが混ざった絶妙な食感です。
ただ、加齢と共に普通の餅でいいわ~となります。
めっちゃ美味しいけど、歯と歯茎をめっちゃ酷使します。
そして、たまに詰めてる歯がとれます。
餅をつくこと12回。もち米の量は、2斗2升です。
片付けが終わるころには外は真っ暗。
ほんで、めっちゃ寒いねん。
こうじゅうたん(お餅を並べる木箱。和菓子屋でお饅頭を並べたりしてるやつです)
を洗ったり、蒸籠や杵を洗うのが。
寒いのも、美味しいのも、餅つき過ぎて手が痛いのも、臼とりで腰痛いのも、
歯が取れるのも(これは、嫌やな・・・)
全てひっくるめて、楽しめてしまう。
それが、餅つきです。
餅つきをしていると、自然と今年起こったニュースなんかが話題にでてきて、
盛り上がります。
昔々の餅つきもこんな感じだったのかなと思いを馳せます。
そんなみんなのうきうきしたお餅気分をよく表しているな~と思うのが、
『山のみんなのおもちつき』 脚本:廣越たかし 画:渡辺有一 です。
学校で子どもがしているお餅つきの楽しそうなのを動物たちが見て、
自分たちもやりたいなと、見よう見まねで、いろいろな方法を試します。
動物たちがお餅つきをうらやましがる様子が、まるで子どもたちが
言っているように思えて、かわいさ満開です。
セリフが紙芝居の形態にぴったりです。
3才〜小学校1年くらいまでの子に読むと、喜ぶんじゃないかな。
ただ、紙芝居は発行部数が少ないのか、本屋さんでは見つけられませんでした。
図書館なら置いていると思いますよ。
お餅のおはなしで、もうひとつおすすめなのが、『蛇含草』
これは、NHKで放送していた『えほん寄席』が単行本化された一冊。
現在、このシリーズは4冊出版されていて、
その中の『抱腹絶倒の巻』に収められています。
無類のもち好きの徳さんが主人公。
余った餅を全部食べられるかどうかの賭けをします。
残りの2つが食べられなかった徳さんがとった策は、果たして・・・?
上方落語なので、大阪弁のわたしにも読みやすく、
落語っぽい読み方をすると、娘は2人とも大ウケです。
落語家さんが噺ているCDも付録でついているので、そこも嬉しいですね。
餅のはなしですが、つきません。
其の二もお楽しみに。
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【いじめについて考える】
近頃は、探偵もいじめ調査をするんですね。
探偵の阿部泰尚さんが書かれた『いじめと探偵』という本を読みました。
わたしの学生時代のいじめというと、気に入らない相手を仲間外れにしたり、無視したりがほとんど。
もちろん、そのいじめも良くないですが、昨今のいじめは質が違いますね。
驚きました。
様々ないじめを調査した阿部さんは「いじめの現場は戦場」だと言います。
売春や万引きの強要、度重なる暴力、クラスメイトによる集団レイプまでおきている。
クラスメイトの家に男女のグループで遊びに行ったら、そこで、ひとりの女の子に集団レイプが行われる。
被害者以外の女の子は、彼女を助けようとしない。
遊びに誘った時からレイプすることは、グループ内で決まっていたんです。
現場でおこっていることを説明するくだりは、生々しく、読み進めるのが恐ろしくなります。
自分の子がもし、こんないじめの加害者・被害者だったら、親としてとても冷静ではいられないだろう。
そんな悲惨な現場を見てきた阿部さんですが、こうも言っています。
「いじめ相談の9割は探偵の調査は不必要」だと。
そして、これは私も肝に銘じなければと思った言葉ですが、
「いじめで子どもが絶望感を抱いたとき、死にたいと思ったとき、
思いとどまらせるものは、
その子の周囲にいる誰かが、その子と真剣に向き合っているという事実である」
そして、「その誰かは親であるべき」と語られています。
この本は、現代のいじめを解説するだけの本ではありません。
家庭での子どもとの接し方、教育現場の問題点等、
阿部さんがいじめ調査をしていく中で、
こどもをいじめから守るために考えた知恵がつまっています。
わたしは、いじめを世の中から完全に消すことは難しい、と考えています。
だからこそ、それを減らすにはどうすればいいのか、
また、実際にいじめにあったときにはどうすればいいのかを考える必要がある。
そのことを考えるための指針になってくれる本です。
子どもたちが『いじめ』や『相手のきもち』を考えるきっかけになる本も
考えてみました。
『水色のマフラー』
くすのきしげのり 文
松成真理子 絵
という絵本です。
相手を思いやる気持ちがあれば、傷つけることはあっても関係は修復できる。
道徳の教科化が話題になっていますが、良い絵本は読むだけで『すでに道徳』
です。
子どもに説明は要りません。子どもは自分で考える力を持っています。
お母さん・お父さんからお子さんへ読んであげてください。
もちろん、大人がひとりで読んでも心を打たれる絵本でもありますよ。
とんとんmamaでした。
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「じゃれつきあそび」をしてみよう。
こんにちは。
とんとんmamaです。
きょうのお話は、お正月で、身体がなまってしまった大人にもぴったりですよ。
子どもとのスキンシップについてのお話です。
自分が子どもだったとき、どんな遊びがうれしかったかな~
と、記憶をたどってみました。
わたしは、父の背中に乗り、あちこちを歩いてくれる『くまさん』が
強く印象に残っています。
運動が苦手で、本や新聞ばかりを読んでいたイメージが強い父ですが、
わたしがせがむと、くまさんをしてくれて、それが大好きでした。
親戚のおじさんで、遊びに来るといつも、わたしの脇をもってグルグル
回転してくれる人がいて、それも楽しみでしたね。
上の子が、5歳のときに『じゃれつきあそび』の本に出合いました。
なんて素敵な本なんだろう!と思いました。
実際にやってみると、本を私やダンナさんに見せて、次々にせがんできます。
でも、身体を持ち上げる遊びなどは、成長が早かった長女にはしてあげられませんでした。
もし下の子が生まれたら、ぜったいこの遊びを一緒にしようと思っていました。
下の子は、この中の『おんぶだっこ』が大好きになりました。
そして、今でもおんぶが大好きです。
さすがに、16キロの娘をおんぶから抱っこに移行する力技は
今のわたしにはできませんが。
この本のなかでは、スキンシップのあそびのことを『じゃれつきあそび』と
読んでいます。
いい呼び名だなとおもいます。
この遊びをすると子どもの目が「キラキラ」「ギラギラ」輝いてきます。
こういうスキンシップの遊びは昔からされてきたもので、
お父さん、お母さんによっては、珍しくないなと感じる方もおられるかもしれません。
でも、生活が都会的になると、どうしても室内でゲームやテレビを見ることも多くなるので、体を動かす機会が減っている方は一定数いると思います。
本の表紙に、対象年齢が3歳から6歳と書いてありますが、
赤ちゃんや小学生でも遊べるものもあるので、ぜひ試してみてください。
大好きなお父さん、お母さんにスキンシップしながら遊んでもらえることは、
身体の発達だけでなく、お子さんの心を何十倍もときめかせます。
そして、喜んでいる子どもを見て、親もまた嬉しくなる。
それこそが、『じゃれつきあそび』の醍醐味ですね。
幼いころに、親や親戚のおじさんにしてもらった体を使った遊びを
わたしがよく覚えているのは、それだけ楽しかったからでしょう。
大人になっても、生きる糧になりますよ。
ちなみに、わたしと父が『くまさん』と呼んでいた遊びは、本のなかでは
『お馬さん』と書かれていました。
運動音痴な父には『くまさん』がぴったりだったなと、ちょっと笑ってしまいました。
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【こどもと いっしょに『かお』みぃつけた!】
こんにちは。とんとんmamaです。
クリスマスイブに、こどもと まちの『かお』を探しに行きました。
こどもは発見すると、『め~、め~、はな、くち』と言って、
どこが目でどこが口なのかを教えてくれます。
最初は4歳の娘だけが探していましたが、そのうち8歳の娘も
面白くなってきたのか『め~、め~、はな、くち』と言い出します。
こどものころ、天井のシミが人や鬼の顔に見えたことはありますか?
わたしは、実家の屋根にある鬼瓦が後ろから見ると、『おっさんが座ってるみたいやな~』
と思ってました。
それに、庭木の枝と葉っぱの隙間によって作られる模様が、『鬼の顔やな!』と思っていました。
大人になった今では、モノが顔に見えることはなくなりました。
それでも、幼いころの記憶をたどり、この位置から見えたかなという場所に立ち、
実家の屋根を見てみました。
しゃがんだり、体を斜めにしたりしてみましたが、
もう私に『おっさん』は見えませんでした。
こどもは大人と見えてる世界が違うんでしょうね。
それを実感させてくれる絵本。
佐々木マキさんの『まちにはいろんなかおがいて』です。
8歳の娘より、4歳の子娘の方が、グググッとその世界に入っていきます。
読んであげようとすると、
「待って!」と私を制止して、
「め~、め~、はな、くち」
と絵本を指さしして、満足すると、娘の『はい、いいですよ』という合図で
読むことが許可されます(笑)
お天気の日にこどもと、ゆっくり『まちのかお探し』に行くのもいいですね。
まちにはいろんなかおがいて (こどものとも絵本) [ 佐々木マキ ] 価格:972円 |
木まもりのこと。
おはようございます。
とんとんmamaです。
冬の入り口に、柿がひとつ、ふたつ、木に残っているのを見たことがありますか?
『木まもり』というそうです。
来年もよく実るようにとのまじないで、木に果実を取り残しておく風習のことをいうそうです。
俳句の世界では、『木まもり』は冬の季語にもなっています。
毎年、我が家の柿の木も、取り残しているわけではなくても、
最後は不思議とひとつ、ふたつ枝に残ります。
若いころは、見過ごしていたことですが、
今、この歳になって『いいな。』と思えることに幸せを感じます。
『木まもり』っていうことばの響きも私は好きですね。
それで、『木まもり』とか『まもる』とかを広辞苑で
調べてみたんです。
すると、『守り合ふ』という言葉を見つけました。
互いにみつめる。見あう。という意味でした。
もしかすると、昔は『相手をみる』=『まもる』だったのかなあ。
と思うと、なんだか心にぽっと火がともったように温かい気分になりました。
自然の情景でいやされる。
そんな絵本があります。
イエラ・マリ作 『木のうた』です。
一本の大きな木が描かれています。
その木を中心に季節がめぐります。
木はもちろんのこと、雑草にも命があり、変化があることを
気づかせてくれます。
音のない(文字のない)絵本であることで、いっそう絵ををよく見ます。
4さいの娘は、ページをめくるたび、すみずみまで目を凝らして、
驚きの「え~」を繰り返していました。
小学校に入学する前くらいのこどもさんに読んでみると、
反応がおもしろいですよ。
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【『賢者の贈り物』ではないけれど。】
こんにちは。
街もスーパーも商店街もクリスマス色になってきましたね。
もう、プレゼントの用意はできましたか?
『賢者の贈り物』という外国の物語がありますよね。
夫婦は貧しくて、お互いにクリスマスプレゼントを買うことができない。
2人はなんとかしてプレゼントをあげようと、イブの日にお金を工面する。
妻は自慢の腰まである髪を売り、
夫は祖父から受け継いだ大切な懐中時計を売ることで。
そして、クリスマス当日
妻から夫へは、懐中時計の鎖の贈り物。
夫から妻へは、鼈甲の櫛の贈り物を。
プレゼントされたものはお互い、プレゼントを買うために売ってしまっていて
使うことはできなかった。
でも、貧しくてもお互いを思う気持ちが最高の贈り物になるという、心が温かくなる結末でした。
さて、我が家ではクリスマスプレゼントといえば、恒例のプレゼント交換をします。(と言ってもまだ、3回目ですが)
プレゼント交換のやり方は
①近所の100円ショップに行く
②ひとり いくら(何個)まで買うか決める
③その分のお金を子ども2人に渡す(去年は4人家族なので、324円×4かかりました)
④よーいスタートの合図で、店内でプレゼントにしたい商品を探す
その時、自分以外の家族に何を選んでいるかバレないようにコソコソする
※プレゼント用の袋を用意しておいて、レジが終わったら中身が見えないように
そこにつめる
去年は、下の娘が『隠す』とか、まだあまり分からず、お風呂のイスを選んでいて丸見えだったので爆笑でした。
⑤クリスマス当日
クリスマスの音楽を流す。
家族で円になって、目をつぶり、プレゼントを自分の隣へ隣へ送っていく。
音楽が止まったとき、自分のところに回ってきたプレゼントをもらう。
『賢者の贈り物』にはならないかもしれませんが、毎年、子どもたちが
大喜びなのを見て、親のわたしたちも、にこにこしています。
みなさんはどんなクリスマスを迎えるんでしょうか。
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