【いじめについて考える】

近頃は、探偵もいじめ調査をするんですね。
探偵の阿部泰尚さんが書かれた『いじめと探偵』という本を読みました。

わたしの学生時代のいじめというと、気に入らない相手を仲間外れにしたり、無視したりがほとんど。

もちろん、そのいじめも良くないですが、昨今のいじめは質が違いますね。
驚きました。

様々ないじめを調査した阿部さんは「いじめの現場は戦場」だと言います。
売春や万引きの強要、度重なる暴力、クラスメイトによる集団レイプまでおきている。

クラスメイトの家に男女のグループで遊びに行ったら、そこで、ひとりの女の子に集団レイプが行われる。
被害者以外の女の子は、彼女を助けようとしない。
遊びに誘った時からレイプすることは、グループ内で決まっていたんです。

現場でおこっていることを説明するくだりは、生々しく、読み進めるのが恐ろしくなります。
自分の子がもし、こんないじめの加害者・被害者だったら、親としてとても冷静ではいられないだろう。

そんな悲惨な現場を見てきた阿部さんですが、こうも言っています。
「いじめ相談の9割は探偵の調査は不必要」だと。

そして、これは私も肝に銘じなければと思った言葉ですが、
「いじめで子どもが絶望感を抱いたとき、死にたいと思ったとき、
思いとどまらせるものは、
その子の周囲にいる誰かが、その子と真剣に向き合っているという事実である」
そして、「その誰かは親であるべき」と語られています。

この本は、現代のいじめを解説するだけの本ではありません。
家庭での子どもとの接し方、教育現場の問題点等、
阿部さんがいじめ調査をしていく中で、
こどもをいじめから守るために考えた知恵がつまっています。

わたしは、いじめを世の中から完全に消すことは難しい、と考えています。
だからこそ、それを減らすにはどうすればいいのか、
また、実際にいじめにあったときにはどうすればいいのかを考える必要がある。

そのことを考えるための指針になってくれる本です。


子どもたちが『いじめ』や『相手のきもち』を考えるきっかけになる本も
考えてみました。

『水色のマフラー』 
くすのきしげのり 文
松成真理子    絵
という絵本です。

相手を思いやる気持ちがあれば、傷つけることはあっても関係は修復できる。
道徳の教科化が話題になっていますが、良い絵本は読むだけで『すでに道徳』
です。

子どもに説明は要りません。子どもは自分で考える力を持っています。
お母さん・お父さんからお子さんへ読んであげてください。
もちろん、大人がひとりで読んでも心を打たれる絵本でもありますよ。

とんとんmamaでした。

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